この世で一番短い呪とは「名」だと
岡野玲子さんの漫画「陰陽師」(夢枕獏原作)の中で、安倍晴明が そう言っていました。
呪とは、まじないのことです。
山や川、あるは風や恋、眼に見えぬものさえ、名という呪で縛ることができる、と。
「恵美花」という名がなければ、私はいるけれども、「恵美花」という人はいないことになる。名づけられた時から、そのありようを縛られることになる。
・・・今、身内から頼まれている改名に頭を悩ませているので、つい漫画に手が出てしまったのでした。
普通に暮らす人の改名は、周囲の人たちを戸惑わせたり(ましてやヒカせたり)しないように行いたいもの。今の姓名をいかして自然に、せっかくだから完全吉名に!!と力むと、これが姓名によっては難しいのでした。
ただ、私が今、気にかけているのは、改名そのものというよりも、肉親との約束を年内に果たしたい自分の姿勢。新しい名を持つことで、幸多いとは言えない彼女の人生が明るくなる可能性があるのなら。あなたのことを忘れないで考えていますという気持ちが、少しでもプラスに左右するのなら、と、そんなことです。
・・・「恵美花という名前はぴったりです」と、ある人に言われた時、私はとてもうれしかった。ハートがゆるみました。
そう、同じ「陰陽師」に、こんな言葉もあったのです。
「優しい言葉ほどよく効く呪はないぞ」
いくら、その人のことを考えているといっても、主張ばかりでは効果がないのです。手中に入らぬ相手をおとすには、晴明の言葉に従って、呪を行ったほうがよさそうです。
その人を理解しようとしなければ、優しい言葉は出てこないはずです。
・・・優しいノロイが、もっと、この世に増えるといいのに。
でも、闇も、また、私たちが名づけたのだから、消えないのですね。
« 口をしっかり結んで歩け | トップページ | きよしこの夜 »
「本・映画・この言葉!」カテゴリの記事
- 「生まれた甲斐があった」と言える美しさ。そして玉堂・調舒星の艶連結(2023.02.26)
- 道筋を整える、2023 癸卯年に向けて(2022.12.20)
- 月丘ふくらみ夢ふくらみその束の間の夢のありさまは美しいですか(2022.03.03)
- 自立を促す知ることの不思議な喜び(2022.01.16)
- 思い出してもらうのを待っている。なんでもなさと大切さ(2021.07.17)
こんばんは、裕次郎さん。
お知り合いの方、明るい改名ができてよかったですね。
裕次郎さんはノリがよくていいなぁ~と、ブログを拝見してて感じます。寒さも吹き飛ぶ感じ。ついついポチと押しちゃいますもん。
投稿: 恵美花 | 2005年12月23日 (金) 00:54
こんばんわ!
改名する人多いですよねぇ
僕の知り合いも名前の漢字を変えてもらってました。
そうしたら、気力が出てきたのか、いい方向に向かいましたよ!
投稿: 裕次郎 | 2005年12月22日 (木) 23:43