誰も白鳥の湖を踊ってるわけじゃない
いくらか涼しい月夜を散歩。平日でも、学生が夏休みに入ったからでしょうか、駅周辺は開放的なムードが漂っていました。
昨日は徹底的お休みで、本を拾い読み。「老子」を読んだり、赤坂真里さんの「ヴァイブレータ」を今頃読んだり^^、いただきもののお香を焚いてうとうとしたり(老子が眠い)メロンを食べたり?!していると、幸せ。単純です。毎日これだとボケるかも、ですが。そして、スペンサー先生はいいこと言ってないかな、と、「レイチェル・ウォレスを捜せ」(ハヤカワ文庫)を再読。
レズビアンの作家・レイチェルのボディガードとなった、私立探偵スペンサー。1980年のアメリカの話なので、今よりも、人種や性差別、マイノリティーへの偏見、嫌悪、中傷、興味本位の扱いなどひどい頃。黒人、ゲイ、共産主義、下層階級、ウーマンリブなど十把ひとからげで「民主主義の敵」として迫害する人達もいて、女性解放を主張して行動するレイチェルは、命を脅かされます。
…男の中の男、粋な男を誇るスペンサーと、男性優位の考え方に抵抗するまじめ一本槍のレズビアン、レイチェルは相容れない関係なのだけれど、ともに修羅場をくぐり、時を過ごすことで、尊敬しあうようになるところが感動を誘います。
↓レイチェルと恋人の女性が一夜を過ごすホテルの部屋の前で、見張りを続けるスペンサーが、思わず妄想を膨らまし、自分と恋人スーザンのことを重ねるシーン。
「行為中の二人を想像し、いったいどんなことをするのだろうと考えると、なにか不快ないやらしいことのように思えた。実際にはスーザンと自分の間の行為もさして品がいいとは言えないかもしれない。よく考えてみると、誰も白鳥の湖を踊ってるわけじゃない。」
誰も白鳥の湖を踊ってるわけじゃない。
名言。ニヤリ、です。
自分だけが正しいと主張する人の頭の中には、こんな考え方はないのでしょうね。ジョークのかけらも。
もしかして、白鳥の湖を踊っている気になっている政治家などがいたら、それは、危険なことです^^ 絆創膏程度ならよいのですが(*あの絆創膏農相は、禄存星3つ、司禄星1つ、天堂星2つで、強運ではありますが政治家にしては自意識過剰で口が重すぎます)。
正しいことというのは…
「正しいことというのは、あとで気分がいいことなんだ」。
先生、また名言ですね。
「ヘミングウェイの文句だ。頭のいい男だ、ヘミングウェイは。腹をへらしたままホテルの廊下に突っ立ってるようなことはしなかった。」
なんだ、スペンサーの先生は、ヘミングウェイだったのか…。
正しいか、正しくないか、確かに瞬間的には、わからないことが多いです。ですが、「あとで気分がいいこと」というのは、納得がいきます。
今、参議院選前ということもあり、色々な人の主義、主張を耳にすることも多いわけですが、その方達が、「あとで気分がいい」ことを言っているのかどうか、さて、有権者はバカじゃない、チェックして楽しみましょう。
なお、仙乙恵美花は特定の政治・思想団体、組織に傾倒するものではありません^^
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あみさん、早起きですネ。
こちらこそ、コメントありがとう☆
スペンサー先生、なかなか最近耳にしない、いいこと言ってくれるんです。
わたしの場合は、正しいと信じて正しくないことも過去してきてしまったと振り返る部分もあるのですけど--; 気づけただけいいかな。
投稿: 恵美花 | 2007年7月26日 (木) 20:01
凄く簡単なのに心に残る!
正しいことの定義って難しかったけど
これなら心に説明がつきますねー
素晴らしい視点をありがとう!
投稿: あみ | 2007年7月26日 (木) 06:11